転売ビジネスで売れ残りのリスクを懸念する声もありますが、よほどのことがない限り在庫を抱える心配はありません。
実際に僕の手元に何年も売れ残っている在庫は皆無ですし、周りの実践者もそれは同じです。チケット転売などで博打のようなやり方をすると別なのかもしれませんが…。
そもそも在庫が多く売れ残るような危ない橋を渡る必要は皆無なので、この記事では在庫リスクについて掘り下げていきたいと思います。
正しい考え方をインストールして、健全なビジネスを進めていきましょう。
転売在庫の売れ残りが発生する理由
まず転売において在庫の売れ残りが発生する理由を見ていきましょう。
売れ残りが生じる場合には、下記のような原因が考えられます。
・仕入れの判断ミス
・希望的観測による仕入れ
・売り切る期限を決めずに販売する
3点それぞれを詳しく見ていきたいと思います。
仕入れの判断ミスによる売れ残り
仕入を行う際にチェックすべきポイントを見落としたなど、判断ミスによって在庫の売れ残りが発生する場合があります。
売れると思ったものが売れなかったり、仕入れる個数を見誤ってしまうなどがこちらに該当するでしょう。
希望的観測による売れ残り
データが十分ではない、または十分な仮説が立てられていない段階で「きっと売れるはず」や「この価格で売れるかも」といった希望的観測で仕入に踏み切ってしまうケースです。
なかなか仕入対象が見つからないときなどは、見切り発車しがちな場面も見受けられます。
期限を決めないことによる売れ残り
売り切る期限を決めずに販売すると、いつまでも価格調整などを行わずに商品が放置されていることがあります。
期限を決めることで段階的に価格調整を行ったり販路を見直すなどの戦略がとれるため、いつまでに売り切るかはとても重要です。
売れ残る可能性がある事例
データを無視して大量購入
モノレートやオークファンなどのデータを無視して「これなら売れるだろう」といった自分の基準で仕入れをしてしまうと売れ残りに繋がる可能性があります。
「せっかく出向いたから、少しでも多く仕入れて帰ろう」というような考えも、店舗仕入をする際にありがちな危険な考え方です。
知らず知らずのうちに基準が甘くなってしまうケースには注意が必要ですね。
人気のピークを過ぎた商品を仕入れる
先を見据えずに現段階だけで判断してしまうなど、人気のピークを過ぎた商品を多く仕入れてしまうことも実例として挙げておきます。
アニメのCDやDVDを仕入れる際にも放送期間は調子よく売れていても、期間が過ぎると売れ行きが鈍ることも考えられますね。
データ上は直近まで売れていたが、ネットで注文して届く頃にはピークが終わってしまっていた。というミスには注意しましょう。
売れ残りゼロが可能な根拠
上記の理由で売れ残りが発生するケースがあるとお話しした上で、僕は基本的には転売で売れ残りゼロは普通に可能だと考えます。
事実として数千点を扱ってきた今でも何年も前の在庫が売れない、なんてことはありません。
もちろん何の根拠もなく言っているわけではありませんので、その理由を見ていきましょう。
そもそも転売は博打じゃない
転売で仕入を行う際にはAmazonやヤフオク、メルカリの販売履歴(過去に商品が売れている証拠)を確認することが出来るため、その商品がいくらでどの程度売れたのかというデータを参考にすることが可能になります。
つまり、そのデータから実際に売れていることを把握したうえで仕入れることができるということですので、ほぼ間違いなく売れる「後だしジャンケン」で戦えるということです。
他のビジネスで考えると、例えば稼いでいるブログをコピーすることは出来ませんが、転売では売れている商品をそのまま真似することが可能。
売れるか売れないかわからないような商品はスルーすれば良いので、博打のような購入の仕方をする必要はまったくありません。
商品価値が消滅することはない
有形商品を取り扱う転売では、その商品自体に一定の価値があります。
相場は下がることは当然考えられますが、それでも商品そのものの価値がゼロになることはまずありえません。
そのためほとんどの商品は適正価格もしくは若干の値下げで売り切ることができますし、価値がなくならないということは需要が存在しますから、売れ残る可能性は無に等しいのです。
マーケットが大きい
転売では扱える商品が多いため、売れ残りそうな商品をわざわざ仕入れる必要はありません。
また販売においても同様で、プラットフォームが多数存在していますから、よほど回転の悪い商品に手を出さない限りしっかりと売り抜けて当然とも言えますね。
アパレルに勤務している頃、バイヤーが大変そうに頭を抱える姿を何度も見ましたが、こんな出来レース的な仕入を知ったら彼らはどう思うのだろう…(苦笑)
売れ残りを回避するための注意点
上記の理由から売れ残らないと言える理由がおわかり頂けたかと思いますが、在庫を抱えることを回避するための注意点についても解説していきます。
見込み利益を引きずらない
売れ残りが発生するとしたら、仕入れた際に見込んだ利益に拘りすぎるあまり価格を下げられないことが考えられます。
実際のところ売れ残りのほとんどはこのパターンで、利益に固執するあまり値段を下げないことが原因です。
「以前はこの値段で売れていたのに」といったことを考えるよりも、その場その場で適切な価格を提示して売り抜くことを優先しましょう。
それをするために、次の「売り切る期間を明確にすること」が大事になってきます。
売り抜く時期を明確にする
見込み利益に引っ張られすぎないために必要になるのが、売り切るまでの期間を明確にすることです。
売り切る時期を設定することで、初めのうちは高値で販売しながら期限が近づくにつれて徐々に値段を下げていく、といった戦略もとれますので、期間は必ず設けるようにして販売にあたりましょう。
利益よりも回転重視の仕入を
売り切る期限を決めて価格を下げていくことで売れ残りはほぼほぼ防げるのですが、そもそも仕入れた商品が半年に一個しか売れていない商品などの場合は売り切ることは難しいですよね。
もちろん仕入に慣れてきたり資金に余裕がある際には利幅を考慮していくこともできるものの、商品を売り切る感覚が掴めるまでは回転を第一に仕入を行い、資金を回していく意識が不可欠です。
1つの商品で大きな利益を取ろうとするとその商品が売れなかった場合のリスクが大きいですし、初めのうちは利益が少なくても回転が良い商品を扱いましょう。
感覚さえ掴んでしまえば売れ残りの心配がないことは実感できると思います。
チケット転売のような売れ残りのリスクは不要
転売というとチケット転売のようなことを連想する方も多いと思いますが、チケットのように売れるか売れないかわからないものを高値で扱う必要はなく、しっかりデータを見て仕入れを行うだけで在庫のリスクとは無縁になれます。
実際にこういう買い占めは売れ残りを頻発させる原因でもありますし、コンサートなどではチケットは売り切れているのになぜか空席が目立つといった問題が起きています。
そのような状況では抽選に落ちたファンから怒りを買うのも無理はないですし、売れ残りが起こるべくして起こるような方法は実践する前に勝負が決まっているとも言えます。
この辺はそもそも「転売」の定義が違としか言いようがありませんが、チケット転売のような手法ではなく売れ残りのない健全な方法で、お客様にしっかり価値を提供できる転売ビジネスを行っていきましょう。