転売ではリサーチや出品を自動で行ってくれるツールが開発されていますが、ツールは便利な反面、100%それに頼ってビジネスを行うのは非常に危険ですし、そんな状況で万が一ツールが止まってしまった場合はそのビジネスが即終了を意味します。
それを「死亡」と揶揄する人もいるくらいで、ツールに身を任せるようなビジネスは個人的にはおすすめしません。
特に転売ビジネスの仕組みを理解していない段階でツールありきの手法を実践するのは、ツールを使っているのではなくツールに使われている状態とも言えますし、そこにリスクがあるのは明白だと言わざるを得ないんですよね。
現にツールに頼りきりの人が稼げない場合も、基本的なビジネス思考やスキルが身に付いていないケースが多いですし、そうなってしまうと時間だけ浪費してスキルが伴っていないということになってしまいます。
そのような懸念材料を踏まえながら、この記事では、ツールについての考え方やこれまでの事例、注意点などを書いていきたいと思います。
転売ビジネスでツールが流行っている理由
転売ビジネスで稼ごうとするとツールが必須なのかと勘違いしてしまうほど、ツールに関する話題が多くなっている昨今。
なぜこれほどまでにツールが流行っているのか?その理由を2つ挙げたいと思います。
仕入を簡素化できる
ツールを使うことで一つ一つの商品を自分で確認する手間が省けるようになり、簡単に仕入ができるようになります。
あらかじめ自分の設定した条件で商品を抽出してくれるツールもありますし、開発者側で最初から設定がされていて、ツールを起動するだけというものもありますね。
ツールを使ったリサーチは自身で行う通常リサーチに比べて圧倒的に楽だと言えるでしょうし、転売ビジネスの一番の肝となる仕入を効率よくできるという点に惹かれる実践者は非常に多くなっています。
大量出品が可能になる
特に無在庫転売に取り組んでいる場合は在庫を抱える必要が無いため、出品数は大いに越したことはないというのが大方の考え方です。
そこで、ツールを使うことで大量出品が可能になり、多くの商品を出品することで短期間で稼げる可能性を高めるというもの。
仕入れのツールと連携して、出品用のファイルを自動的に生成してくれるパターンも多く、Amazonの場合はそれをアップロードするだけで出品が完了するケースもありますね。
こちらに関しても、時間がない副業実践者や初心者には訴えかけるものが大きいといえるでしょう。
ツールが止まって稼げなくなった事例
使い方によっては便利な場合もあるということは間違いないですし、人件費をかけるよりもコストパフォーマンスが良いケースもあることは否定しません。
ただ過去にはツールを利用しているがために、規制による煽りを受けてしまった事例もたくさんあるというのは忘れないでください。
2017年にはメルカリでツールを利用して大量出品したいたのが一斉に取り締まりに遭ったり、ツールでAmazonに何千・何万と無在庫出品していたアカウントが軒並み凍結されたり削除されるといったこともありました。
それによって、ツールで稼いでいた人たちが「死亡」と言われるほどまったく稼げなくなっていますし、ツールに頼りきりだった人が軒並み路頭に迷っているのはさすがに僕も思うところがありました。。
なぜそうなってしまったのかというと、同じツールをたくさんのユーザーが使うことでIPアドレスから業者だということを特定されてしまったり、送り先が同じ住所のユーザーが多数いたことなどから、大量のアカウントが規制を受けてしまったという背景があります。
もちろんサスペンドへの対処法も存在するのでしょうが、このようにツールにはプラットフォームの規制によって一瞬で稼げなくなる危険性があるということは、ぜひ念頭に置いたうえで判断していきましょう。
転売でツールに頼るのが危険な理由
止まったときの対処法がない
上記の事例も踏まえたうえで危険だと思う理由を掘り下げていくと、プラットフォームの規制や仕様の変更でツールが使えなくなって場合、ツールを利用している側はプログラマーに任せるしかなく、ただ改善を待っていることしかできません。
他の手法や販路も持っていて、ツールを使った手法が複数ある柱の一つという場合であれば影響はそこまで大きくないかもしれませんが、初心者が初めて実践したときなど、ツールに100%頼っていた場合には対処法がありません。
自分でどうすることもできないというところがとても危険ですし、ネットビジネス界のある有力者は「自分で対処できない要素があるとしたら、それはビジネスではない」と断言しているように、対処のしようがないといった要素に関しては絶対に見落とせません。
思考停止でも稼げてしまう
簡単に稼げるということを謳っているツールは正しい操作をすれば、基本的に誰が使っても同じような結果がでるように設計されています。
それは簡単に稼げるという意味ではもちろんメリットがあるのですが、言ってしまえば思考停止で言われた通りに操作するだけなので、自分の考える力が身に付かず、ツールがなくなったときに身動きが取れなくなります。
この辺は僕のコンサル生から実状を聞いたとき驚愕でしたね。。
思考停止でも稼げてしまうその結果、また別のツールに頼るしかなくなり、ツールを買い漁ることにも繋がりかねません。
あくまでツールは利用するものであり、自分の思考力を鍛えていくことが一番の財産になりますので、その意識は常に持って取り組むことをおすすめします。
当たり前にライバルが多い
一般に公開されているツールを使う場合、高額塾などでメインのノウハウとして組み込まれている場合も多く、それによって実践者が多数いるということも起こり得ます。
その結果ライバルが多いレッドオーシャンになり、すぐに稼げなくなることは珍しくないですし、そもそもツールが一般公開される背景を辿ると、開発者が十分に利益を上げたあとであったり機能に制限がかかっている場合も少なくないです。
もちろん例外もありますが、一般公開のツールを利用する以上はライバルセラーが大勢いることとイコールだと考えるのが間違いないでしょう。
自分のスキルが上がらない
先ほどから少し触れてはいる部分ですが、ツールに頼りきりで仮に月収100万円を稼げたとしても、あなた自身のスキルはほとんど上がりません。
これは実際に無在庫転売でツールを利用しながら月商1,000万円といった大きな売上をあげている知り合いも、このように言っていました。
彼の場合はすでに組織的に取り組んでいてあくまで事業の1つとしてツールを回していますが、相対的に考えてもそのステージまで行ける人ばかりではないですよね。
ツールの操作スキルは上達するかもしれませんが、そのスキルはツールが無くなってしまったら何の意味もありませんし、事実としてツールという武器がなくなった瞬間にまったく稼げなくなってしまう人は大半がこの問題に直面しています。
転売ビジネスを真っ当に進めていけばリサーチ力や販売力・文章力などのスキルを高めながら稼ぐことができますし、個人でビジネスをしていく上で自分のスキルが磨かれていないというのは死活問題です。
他のビジネスに応用できない
ツールに頼って転売を行った結果、スキルが上がらないということをお伝えしましたが、スキルが上がらないということは、今までの経験を他のビジネスに活かすということも当然できません。
自分の時間を投資する以上、稼ぎたいというのはもちろんですが、その時間を無駄にしたくないという想いもあるでしょうから、それであれば機械に頼らずに文章力などの販売力、マーケティングスキルを磨いていくなど応用できるスキルにフォーカスしていくことが、長期的に見て大きな差を生むのではないでしょうか。
転売はゲームじゃなくてビジネス
ツールに人生は懸けられない
価格改定など便利なものもたくさんありますし、すべてのツールを全否定するわけではないのですが、自分でコントロールすることがまるで出来ないツールに人生を懸けられますか?という話。
今の僕にはできないですし、ツールと心中するなんて冗談じゃないと。そんなリスクは絶対にとりたくないです。
「そこまで切羽詰まっていない」「楽にちょっと稼げたらいいかな」くらいの気持ちなら話は別ですが、真剣にビジネスに取り組む上で、ツールに頼らずに稼げる方法はいくらでもあるのに機械に命運を託すようなことには、間違ってもしたくないと普通に思います。
長く続くビジネスは結局「スキル」
どの業界を見ても、思考停止でただ作業をしているだけでビジネスが大きくなることはありえないですし、何かしらの戦略があってビジネスは大きくなっていきます。
そう考えると自分のスキルを磨いていくこと、特に思考力に投資をすることが一番大切なことなんじゃないかと思いますし、どこまで行っても「学び続けること」「スキルを磨いていくこと」が必要不可欠ですね。
長く稼ぎ続けている人を見れば見るほど、機械に任せて収入の軸を立てている人は皆無ですし、ツールを開発して仕掛ける側の人はそもそもスキルがずば抜けています。
この事実から目を背けて今だけ稼げればいいという視点は後につらい状況を引き起こしますので、今実践しているビジネスでの自身のスキルアップは常に気に掛けて進めていきましょう。
ツールを利用する際の注意点
ツールに使われない人になろう
繰り返しお伝えしていますがツールに依存した場合、止まってしまったその瞬間から稼げないという状況は非常に危険だということは頭に入れておいてください。
価格改定ツールなど、あくまで自分のビジネスを加速させるための補助的な役割で使うのは良いかと思いますが、もしそれが起動しないことで収入がストップするのだとしたら完全にビジネスとして破綻しています。
ツールを使う際には依存するのではなく、上手に「利用」できるような意識を持って導入していきましょう。
万が一を想定した備えを
これはツールに限った話ではないのですが、ビジネスを行う上で最悪の事態というのもある程度は想定にいれておいた方が良くて、その事態が起こってしまったときにも冷静に対応ができます。
物販でいえばサスペンドなどアカウントが停止になる危険性、ブログやYouTubeなどで言えばアドセンスの規約変更などで広告収入が激減することへの懸念などですね。
もちろん、そればかり考えて行動できないのでは意味がないのですが、ツールやプラットフォームに関しては基本的にこちらに主導権はないので、もし利用できなくなったとしても自分のビジネスが回るためには何をするべきか?といった視点は稼ぎ続けていく上で非常に重要です。
ツールへの依存度は可能な限り低くなるように運営することも考えていきましょう。
まとめ
厳密にいえばプラットフォームを利用したビジネス全般に同じことが言えますが、個人で稼ぐといっても何かに依存しているだけでは会社に依存している状況とあまり変わりません。
また、事実としてお伝えしておくと、ツールを利用して稼いでいる人たちはかなり頭が良いですし賢いです。
これまでに経験を積んできて機転が利く人は「ツールは初心者向けではない」と口を揃えて言いますし、僕も色んな事例を見てきましたが客観的に、まず地力を上げることにフォーカスしている人の方が伸びています。
転売ビジネスに関しては結果が速いのはもちろんメリットではあるものの、僕たちは一時的に稼ぐだけではダメなので。
長い目で見て着実に実になるように、且つ自分の力でビジネスをしっかり回していけるように、しっかりとビジネススキルに目を向けて取り組んでいきましょう。