転売ビジネスにおいて仕入れ先が重要になることは言うまでもないのですが、今では取引先を構築して安定収益を上げている人たちも最初はゼロから始まっています。
僕も会社を辞めて独立したあたりの頃は店舗仕入オンリーで、仕入れ先が少なくてかなり伸び悩んだんですよね。売上をこれ以上伸ばせる気がしないような感じで。
仕入れがないと売上は立たないわけで、致命的とも言える状況だったなかでの失敗談と、そこから学ぶべき対処法についてを今回は記事にしていきたいと思います。
特定の仕入れ先しか持っておらず売上が上がらない方は、このリアルな体験談をぜひ参考にしてみてください。
転売で売上が伸び悩んだときの状況
仕入れ先が特定の場所しかなかった
売上が伸び悩んだときは仕入れ先がとにかく少なくて、ルートで回っていた店舗は2週間もあれば回り切れてしまうような状況でした。正確に言うと毎日仕入れに出掛けるわけではなかったので10日ほどでしょうか。
北海道という土地柄もあり、都内のように店舗が溢れているわけでもないですし、そもそも仕入れ先を増やしたいという想いもさほど考えたことがないほど盲目的に特定の店舗に通っていた気がします。
仕入れ先が少ない以上にこの思考停止具合が致命的ですよね…。自分でもびっくりするのですけど。
長距離移動や遠征を繰り返してなんとか仕入れを行っていたものの、当然ながら自由な時間はほとんどありませんでした。加えてそんな状況で毎月ゼロから売上をつくっているような状態だったため、なかなかに辛い日々だったことを記憶しています。
参考:転売で月50万円稼いだとき辛かったこと3つ|対処法も全部話します
一般客としての立場のみ
そうしてルート営業のごとく同一店舗を回っていた当時、売場の責任者や担当者と繋がれているわけでもなく、特別なことは何ひとつありませんでした。
というよりも多分、当時の僕と同じく「取引先として繋がる」なんて概念すらない転売実践者も多いのではないでしょうか…?
今となっては大半が取引先からの仕入れになっているため反対に不自然に感じるものの、当時はそんなことは考えもせず。つくづく「当たり前」を変化させていくことの重要性を感じている次第です。
仕入れ先に困ったとき失敗した行動
同じ店舗へ頻繁に足を運んだ
仕入れ先が特定の場所しかなかった僕が何をしたかというと、単純にひと月に何度も同じ店舗へ足を運んだという。我ながら「工夫しないにも程がある」と思うのですが、案の定、そんな頻繁に同じ店舗へ行ったところで品揃えが変わるわけもありません。
新品・中古いずれにしても新規入荷がなければ店頭に並ぶラインナップは変わりませんし、ある程度の期間を空けた方が効率的だなんて考えるまでもないことではあります。
ただ、一歩引いて見たら誰でもわかるようなことも渦中の人間は気付くことさえ出来ないんですよね。まるでSNSで子どもの喧嘩のようなくだらない言い合いを繰り広げている大人たちのようです。
さておき、品揃えが変わらなければ仕入れ対象となる商品を見つけられる確率も格段に低くなり、仕入れ量自体が減っていくことになりますから、何かしら策を講じるべき段階にきていたということなんですね。
仕入れができないと薄々わかりつつも、どうしたら良いのかわからずに考えることから逃げた結果だったかもしれません。
ジャンルに固執した
仕入れ先が少なくて困っていたときは、当時販売していたCD・DVDを扱っているお店だけをみていて、自らの首を絞めるような行動に出ていました。
もちろん多少は他ジャンルの店舗にも通ってみたものの、少しリサーチしてはすぐに自分の得意な場所へ戻るという何とも救えない感じに仕上がっていましたね…。
ジャンルを絞ったことにおいては悪くないのですが、致命的な落とし穴があったのでこれに関しては後述します。
今では少なくなりましたが僕が転売を副業で始めた2014年の頃は
- 家電せどらー
- DVDせどらー
- おもちゃせどらー
などと取扱ジャンルが自分の代名詞になるような風潮もあったので、そんなつもりはなかったものの幾分影響を受けていたのかもしれません。切ない。
無理矢理仕入れて赤字になった
仕入れ先が少ないことによる失敗として一番大きかったのがこの点だと思っていて、焦りが募った僕は無理な仕入れを行うようになってしまったんですね。せっかく店舗に来ているし何か買わなきゃ、という変な感覚もいつの間にか根付いていて。
回転重視の点は守っていたため売れ残ることはないものの、やはり利益が確保できず赤字になる商品は増えました。
このときの経験も今に活きているのが救いだと思える一方で、「他にいくらでもやりようがあったのに…」というのが率直な想いだったりします。追い込まれているときに冷静な判断ができなくなる典型的な例ではないかと。
個人でビジネスを実践する以上は常に客観的な眼も持っていないといけないですし、問題解決を先延ばしにしたところで結局なにも変わらないということは教訓として今も大事にしています。
参考:転売で赤字を勘違いすると致命的|利益を出すことよりも大事なこと
転売で仕入れ先に困ったときの対処法
どちらかを捨てよう
先ほど「ジャンルを絞った」ということを失敗としてお伝えしましたが、ジャンルを絞ったこと自体が悪いというよりも思考に柔軟性を欠いたことが問題だったと感じます。
というのも、仕入れ先に困っている状況において「場所(店舗orネット)」と「ジャンル」の両方にこだわってしまうと身動きがとれなくなるんですよね。
もし「ジャンル」を変えたくないなら店舗とネット(電脳)の両方を視野に入れて動くことが必要になりますし、「店舗仕入れ」を続けたいのであれば幅広いジャンルを取り扱えるようになることが不可欠です。
ちなみにこのときに重要な考え方が「0か100か」じゃなくていいということ。
転売を実践している人の多くは、
- 店舗に強いから店舗からしか仕入れない
- ネットが得意だからネットだけをリサーチする
- 家電で結果が出たから家電のみを扱う
というように、自らの幅を狭くしてしまっています。
店舗と電脳を両方実践しても問題ないし、取扱いジャンルを増やすのが悪いということもまったくないですから。「場所」か「ジャンル」か、いずれか1つへのこだわりを捨てることは非常に有効なので実践してみてください。
参考:人生を変える為に捨てるべきこと7選|効果的な方法を厳選してみた
範囲を広げることを意識しよう
仕入れ先に困っているときには対象範囲を広げるという意識で、今で取り組んでいなかったことに目を向けてみることもおすすめします。
店舗であれば移動する範囲を広げることも有効なのに加え、新品と中古を織り交ぜていくような考え方も1つですし、ネット(電脳)であればジャンルをまたぐ方が効率的かもしれません。
いずれにしても初めはいまいちリズムが掴めなかったり非効率に感じる瞬間が多いかと思いますが、元々は今得意としているジャンルだって決して最初からトントン拍子ではなかったはずです。
ちなみにブックオフに依存していた当時の僕が思っていたのは「まあどうにかなる」でしたが、店舗で会計が10%オフになる「ワンデーパス」なるクーポンが廃止されたことによって普通に窮地に追い込まれました。300万円仕入れたら30万円変わるわけですからね…。
ただこんな事例って星の数ほどあるし、結局のところ今「ヤバイかも」と思っていることってまだ具現化されていないだけで必ずいつか降りかかります。
もし何か心当たりがあるとしたら、ぜひ早めに手を打っていきましょう。
参考:仕事がつまらないまま30歳になることだけは絶対に嫌だった「あの頃」
既存の仕入れ先と深くなろう
3つ目の対処法は明日から実践した方が良いと思っていて、単刀直入に今仕入れている場所とのパイプを強くすることです。
もちろん仕入れ先を増やしていく動きは前提としてあるのですが、1つ1つを強固にしていく考え方も重要になってくるんですよね。
具体的に言うと
「値下げ交渉をする」
「優先的に新規入荷の連絡をもらう」
「大量仕入れを定期的にお願いする」
など、こういったことが可能な関係性をつくっていくことで売上は確実に上がるうえに、取引にかける時間も短くなって別のアクションをとりやすくもなります。
多分ほとんどの人がこういった話は持ち掛けていないと思いますが、無理だという先入観を抱いているだけで案外簡単に承諾してもらえる事例も実際に少なくないんですよね。
ちなみに、経営コンサルタントが企業再建に着手する際にも、新規開拓よりも先に「既存顧客の洗い出し」を真っ先に実施するそうです。以前に断られたとしてもタイミングが悪かっただけということは珍しくないですし、やってみる価値は十分にあるのでぜひ!
転売の仕入れで致命的なのは挑戦しない依存心
仕入れがないと収益が発生しないのが転売のビジネスモデルですから、肝心の仕入れが滞るのはかなりの痛手であることは言うまでもありません。ただやっぱり思うのは、現状に胡坐をかいて挑戦を怠ることですよね、本当に致命的なのは。
月収10万円、30万円、100万円と達成するたびに一種の安堵感は生まれるし、ひと段落したくなる気持ちはもちろんわかります。僕も弱い人間なのでいつも自分を律することに必死です(笑)
だからこそ、そこでいかなる行動を起こせるかが勝負なんだろうなと。
会社や組織に絶望して「このままじゃ人生楽しく無いかも」と思って副業を始めたのと同じく、「このままじゃ売上が伸びないかも」と感じたのなら然るべきアクションをとることは必要になります。
なんだかお堅い締めになりましたが、やるべきことをやっていれば当たり前に成功に近付くことは5年の個人事業主生活で身をもって実感しているので、自戒の念も込めてということで…!
参考にしていただければ幸いです。