自分のお店やブランドを持ってみたかったり、アパレルで起業したいと考える人はたくさんいると思います。そして同時に、莫大な資金を要する現実に尻込みしてしまったりもしますよね。
僕もアパレル販売員として働いていた頃には起業したい気持ちがあったものの、失敗するリスクが高すぎて踏み出せませんでした。
でっかい夢だけが宙ぶらりんになってしまっていて、具体的なアクションがとれない自分に悩んだり、もどかしさを感じたりしていないでしょうか。
この記事では、アパレルでの起業で失敗が怖かった当時の葛藤と、資金なしの販売員が実際に起業するまでの戦略について書いてみたいと思います。
アパレルで起業したいけど何もできてない…という方は、夢を捨てる前にできることがあるかもしれません。
目次
アパレルで起業したかった当時の状況
アパレル業界で働いている人は、起業したい気持ちを持っている人が比較的多いと思います。
現実的にみても、他の業種と比べて給料が高いわけでもなく。「野心くらい持ってないとキツイよね?」と考えている人も少なくないんじゃないでしょうか。
少しだけ僕の話をすると、22歳からアパレルで働き始め、百貨店のインポートブランドで店長になったりもしました。
「起業するために経験を積む時期だ」
「頑張っていればチャンスが来る」
なんて思いながら仕事をしていたものの、いつか来るはずのチャンスは一向に訪れず。
起業したい気持ちだけは募る一方で、何も行動できず糸口すら掴めていないことに劣等感が強くなっていったことを記憶しています。
アパレルで起業したいと思ったとき、リアルに考えれば考えるほど無理だと気付いたりしませんか?
アパレルの起業で失敗が怖かった理由
莫大な資金が必要
アパレルで起業したい気持ちがありながら動けなかった当時、一番の原因は資金の問題でした。正直これは大半の人が一緒でしょう。
それなりにアパレル業界が長くなってくると、色んなブランドの立ち上げやランニングコストなども見えるわけで、
- この小ささで初期費用2000万円!?
- 人件費だけで毎月こんなにかよ…
- 一度の買付だけで俺の年収以上じゃん
みたいな事実を知るたびに起業へのモチベーションが下がっていきました。
何年働いても資金が貯まる気配すらない状況で、心が折れそうなケースは珍しくないんじゃないでしょうか。
アパレル業界の低迷
またアパレルで起業したい気持ちとは裏腹に、単純に業界的に厳しくなっていることも肌で感じていました。
もちろんそんな中でもヒットしているブランドはあるものの、テナントは1年に何度も入れ替わっていく現実はものすごくリアルで。
「自分が起業しても失敗するんじゃないか」と懸念するのは、むしろ自然な話だったようにも感じます。
加えて、カリスマ的な感性 に絶対の自信なんてものもなく。バイヤーとしての経験は多少あったものの、いざ買付をすると考えると失敗が頭をよぎったりもしましたね。
スキルの問題は横に置いたとしても、資金と時代性の面でアパレルの起業に踏み込めないケースは「あるある」だと思います。
アパレル店員の起業戦略①発想ごと変える
資金があれば…は言い訳?
アパレルで起業したいけど失敗したらどうしよう…と考えたり、そもそも資金面など起業するハードルが高くて挑戦にも辿り着けないケースは少なくないですよね。
現に僕自身もアパレル販売員時代、「資金があれば」なんて思いながら簡単に数年が経過しました。
起業したいけど資金がない状況について、ネットで調べてみると
- お金がないからできないのは言い訳
- 資金じゃなくてやる気がない
みたいな言い方をされたりします。
これらは一理あると思うものの、さすがに資金面のリスクが大きすぎると思いませんか?
起業したい気持ちはあっても、数百万円・数千万円単位の融資を引っぱることは当時は考えられませんでした。
起業の前提から変えてしまおう
だからもし同じような境遇だとしたら、起業に対する前提を変えてしまうことをおすすめします。
・資金があれば起業できる
↓
・資金なんてそもそも貯まらない
諦めのように思えるかもしれませんが、ぶっちゃけ「アパレルで働いている給料で数千万円貯めようとしたら一生無理じゃね?」と感じていませんか。
だったら莫大な資金がある人のやり方は捨てて、別の道を模索したほうが明らかに可能性があるんじゃないか。そんな風に考えるのもアリだと思うんです。
起業する方法はいくらでもある今の時代、「資金をつくって店舗を借りて大量に仕入れて…」というルートじゃないと起業できないなんてこともないですし。
まずはそんな勘違いから解放してあげることで可能性は広がっていきます。
アパレル店員の起業戦略②失敗しない順番
資金を用意して一念発起!といったやり方を選択できるなら良いと思いますが、もしその方法が難しい場合。順番を考えてみることをおすすめします。
具体的には「アパレルでブランドや店舗を持つのはもうちょい先でもいいんじゃないか」と。
- まず別ジャンルで成功しちゃって
- 資金を作ってからアパレルに参入
いきなりアパレルで起業することを考えるから重いけど、ワンクッション挟んであげることで失敗のリスクは一気に下げられます。
これはアパレル時代に付き合いのあった社長と食事にいったとき「なんで最初から失敗しそうなことやろうとするの?」と言われたことがあったんですね。
その社長も今では飲食店を経営しているものの、最初はシンプルに稼ぎやすい仕事で元手を貯めたと話していました。
「起業してからジャンルを変える」
遠回りのようでいて、何もできずにヤキモキしているだけの状況からすればよほど可能性がありませんか?
いきなりアパレル起業で特攻するのと比べたら、失敗を恐れずにできる挑戦ってたくさんあるものです。
アパレル店員の起業戦略③失敗しないネット起業
速く稼いで資金をつくる
まずお金を稼ぐことを優先して、資金を作れた時点でアパレルに参入していく。
これは潤沢な資金がないアパレル店員の起業戦略としては悪くないと思っています。
参考までに僕の場合、今の時代にあった「ネット起業」を選択しました。どう考えても店舗を持つより失敗要素が少ないし、初心者でもすぐに始められる方法だったからです。
僕がこの選択をしたときには「速く自分の手で稼ぎたい」という想いがほぼほぼでしたが(笑)客観的にみても今ってどの企業もECに力を入れているじゃないですか。
ネットでの物販スキルを持っておくことは、アパレルで起業する際にもかなりのアドバンテージになると思います。
参考:ネット物販で起業するメリットは?初心者が稼げる理由も一緒に理解!
いざ起業してしまうと…
そんな感じでネットから始めた個人の起業ですが、いざ起業してしまうと選択肢が一気に広がります。
たとえば僕は起業仲間に自社ブランドを持っているメンバーがいて、ブランドコンセプトや商品設計に携わらせてもらっています。当時は「自分の店を持ちたい!」一心だったものの、時代的にネット販売がメインでも悪くないなと思ったりもします。
あるいはコピーライターやマーケターとしていろんなジャンルに関われたりもしますし、頑なにアパレル起業にこだわって何もできなかった当時とは雲泥の差だなと。
起業の方法や仕事の広がり方にも色々あるので、失敗しない小さな起業戦略をとるのも個人的にはかなりおすすめです。
アパレル店員の起業で失敗より怖いこと
資金がなくて諦めかけた頃からの戦略について書いてきましたが、アパレル店員の起業には失敗より怖いことがあると思っています。
単刀直入に「失敗すらできないこと」。
ハードルの高さゆえに挑戦すらできず、ただ気持ちだけ悶々としていたりしないですか?
僕はマジでそれがストレスだったし、口だけの自分にどんどん自信が持てなくなっていきました。無気力な毎日がとんでもなく退屈でつまらなかったことはたぶん一生忘れません。
もし同じような感覚があるとしたら、「こういう道もあるのね」くらいで良いので頭の片隅に置いておいてくださいね。
失敗はいくらでもしたらいいけど、「失敗もできずに止まっている期間」は絶対に短いほうがいいので!
アパレルで起業したいけど踏み出せずにいる際、なにかヒントになるものがあれば嬉しいです。